シンガポール中学生早期英才教育システムを廃止
2024年からOレベル試験も見直しに
今月頭の「中学生ストリーミング廃止」の決定ニュースは、全シンガポール人に衝撃が走ったのみならず、日本人父兄 の間でも、あちこちで話題にあがったのではないだろうか。
オンイェ・カン教育大臣は、ローカル小学校卒業時に課されるPSLE試験の結果による全中学生を対象としたコース別早期英才教育システムを廃止するとともに、中学卒業時のOレベル試験も見直し、新しい試験システムGレベルを導入すると発表。
1980年代に導入され、40年余りの歴史を持つ、シンガポール特有の英才教育システム『ストリーミング』では、わずか12、13歳にして子供の将来 (キャリアや所得に大きく影響する)を左右する最初の分岐点と捉えられて、本人も親も血相を変えて塾通いと家庭教師の取り計らいに東奔西走したものである。
小学校卒業試験PSLEで一定の点数に満たないと、中学校生活は一年延長され、10代の始まりにして「落第生」の見えない烙印を押され、5年の中学生活の後 、専門技術教育機関ITEに進んだり、卒業試験の点数が良ければポリテクニック高校へ駒を進めた。
中学生英才教育システムは、4年コースに進めたか、5年コースだったかの違いが、その後の就職機会にも作用してくる。選択できるキャリアにも影響を及ぼし、したがって収入額や、結婚、さらには彼らの子供たちの教育にもつながる。
今回の廃止決定ニュースは、ストリーミング反対派によれば「悪循環がようやく断ち切れる」と手放しの喜びようだし、支持派にとっては動揺の色を隠せない。
ローカル中学を4年で卒業した日本人の男の子に意見を聞くと、「僕はストリーミングがあるべきだと思う」と意外な意見だった。「同じクラスに勉強がよくできる子とできない子が一緒では学ぶ効率が悪くなる」と言う。
2024年から実行されるシンガポール中学生早期英才教育の廃止について、あなたの職場の同僚や、友人の意見はどうだろうか。
https://www.straitstimes.com/singapore/education/streaming-into-normal-and-express-in-secondary-schools-to-stop-in-2024-to-be
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