マネー ノット イナフ
2018シンガポール予算案発表に戸惑いの声
旧正月休暇明けに発表された、2018年度シンガポール国家予算案内容には、いつも以上に歯切れの悪いコメントがあちこちで聞かれたように思う。
第一に、消費税率(GST)の引き上げ。
3年後の2021年〜2025年の間に、現行の7%から9%につり上げられる。
ヘン・スイキャット財務相は、増税の主な理由について、高齢化で増加するヘルスケアなど社会保障費を賄うには現在の水準では「マネーノットイナフだ」と説明している。
シンガポールで飲食業界に関わる友人は、レストランの料金で「+++」表記しているお店などでは、メニュー料金+20%の税金を加算することになってしまう よ、と苦虫を噛みつぶしたような顔。
増税は、シンガポールのみでなく、日本(8%→10%、2019年)や東南アジア全体に見られる傾向だ。
第二に、デジタルサービスにも消費税(GST)が課されることに。
2年後の2020年1月からで、インターネット経由で購入するビデオや、アプリ、音楽、メンバー購読料などが対象。
第三に、不動産印紙税の引き上げ。
最高税率が3%から4%となるが、100万シンガポールドルの価格を超える住宅に適用される(2020年2月から)。
他に、炭素税の引き上げ、メイドを雇用する際に課されるメイド税(Levy)の引き上げなど。
予算発表の度に期待されている、今年の成人シンガポール人へのお年玉ボーナスは、年収に応じてS$100、S$200、S$300が支給されるのだが、あるシンガポール人の友 人などは「鶏の手羽先1本もらって、鶏の丸焼きを一匹まるごと取り上げられている気分だ」と困惑顔を隠せない。
参照記事:
http://www.straitstimes.com/singapore/st-interview-heng-swee-keat-on-money-not-enough-why-statutory-boards-need-to-borrow-and
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