トレーニングで加速する不眠のジョブホッパー
シンガポール経済成長鈍化もどこ吹く風
57.9%、実に半数以上の非雇用者が転職活動に踏み切る心積もりがあるー。先月公表された人材サービス業Ambition社によるシンガポールの労働者を対象とした調査結果だ。
皮肉なことには、彼らの転職希望動機の多くは現給与額への不満が理由ではない、と言う。昨年12月にシンガポール政府が巨額の予算を投入してシンガポール700人の雇用者・非雇用者に対し実施したトレーニングプロジェクトが功を奏しているのか、当地の経済成長が鈍化の局面をむかえている現在でも、彼らはキャリアアップの梯子を昇り続けるための転職を前向きに検討しているというのだ。
転職にあたり最優先する第一要素は給与・報酬、続いて個人のキャリアプラン形成につながるトレーニングや啓発プログラムが充実している
かどうかというポイントがあがっている。
現職への不満事項として調査対象の非雇用者5人に3人が「十分なトレーニングの機会を得ていない」としており、またマネージャークラスのほ
とんどは「キャリアアップの機会が全くない」とこぼしている。
「転職希望者のほとんどは、ボーナス支給が確認できた第一四半期に行動を起こす。そこから第2四半期にかけてがピークだ」とAmibition社ディレクターのポール・エンダコット氏。この結果を裏付けるように、経済成長が緩やかになっている現在においても労働市場自体の動きはまだまだ活気づいているということだ。
当地の失業率は過去14年間で最低の2.0%だが、総して積極的な雇用姿勢にまだ大きな変化は見られていない。
大志を胸によりベターな職を探すことは大いに結構な話だが、こうした状況を踏まえ企業側は人材育成と並行して、長く勤務してもらうための仕掛け作りがさらに必要となってくるかもしれない。
日本人及び日本語スピーカーの人材をお探しの際は、是非SDSまでお気軽にご相談ください。