シンガポール給与上昇まだ加速か
回答者の大多数、今年の給与は増額と回答-7月中旬調査結果より
人材コンサルタント企業ロバート・ウォルターズ社が、3,200人のエグゼクティブに対して実施したグローバル調査結果が今月中旬発表された。
これによれば、82%のシンガポール人が今年の給与が1~21%の範囲で上昇しているということだ。
詳しく注目すると、給与額の1~5%上昇との回答者が一番多く全体の回答者の40%を占め、6~10%上昇が20%、11~20%上昇が14%、21%以上上昇は8%という構成。
注目すべきは、給与上昇が顕著にみられたのが、金融・ファイナンシャルセクタではなかった点だ、とロバート・ウォールズ社シンガポール&マレーシア支社MD、アンドレア・ロスさんは指摘。「実際昨年は、給与上昇率でシャープな伸びを見せたのは金融・ファイナンシャル産業だったが、今年はそうでない。今年の給与上昇を牽引しているのは結果からみても明らかに、ノン・ファイナンシャルセクタ。つまり、優秀な人材を獲得するために、全体として報酬が引き上げられているのでは」と分析する。
調査のサマリーでは、アジア域が給与上昇最高伸び率を見せていることに言及。10%以上の給与上昇率を獲得した回答が、UKでは16%の調査回答者であるのに対し、中国は45%、タイが26%、マレーシアが24%、シンガポールが22%、香港が21%であった。
上とは逆に、主要回答者が給与上昇なしと回答した国は次の通り。アイルランド65%、ニュージーランド49%、ベルギー39%、オーストラリア35%。
今回の調査結果、特にシンガポール人の給与上昇が伸びを見せている点については、オンライン市民の反発の声も見られる。その内容は「本当にこの結果はシンガポール人を対象に行ったのか?」「エキスパットや高給の外国人を対象にした結果じゃないのか?」といったもの。
この類の調査結果については参考として冷静に受け止めるべきだが、今月1日から就業ビザ取得のための基準給与額も正式に引き上げされたし、外国人向給与額の上昇はやむを得ないだろう。
調査結果が示す給与増額の実体を受け、今後は労働生産力の向上が企業の課題としてますます注目されると思われる。
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