類友歓迎 ツイッター雇用
シンガポールSNS就職最新事情
何年かシンガポールに住んでいると、当地の(現地人向け)求人スタイルは日本のそれとは趣向が異なることがはっきりとしてくる。
つまり、シンガポールの求人は新聞広告(クラシファイド)を主体としていて、当地の求人情勢はそれら広告から統計が取られることが多い。
その一方で、弊社も含め近年ウェブサイトを中心にオンラインでも求人を実施する企業や人材会社は多くなったわけだが、特にこの数ヶ月で顕著にみられる動きがある。フェースブック、ツイッター求人だ。
日本の「わらしべ長者」は合縁奇縁で富を手にする昔話だが、このほど6月8日付The New Paperで紹介されていたツイッター就職は、SNS(ソーシャルネットワーク)を通した雇用関係の「縁」という点で、従来のスタイルに加え雇用のきっかけに新たな切り口を提供していて興味深く、ここに紹介したい。
41歳のシンガポール人、ケリー・ルートゥン氏はコンピュータプログラマーでフリーランスベースでの仕事をこなしていた。いつものようにツイッターのタイムラインを追っていると、彼のフォローしている沢山の人間の一人がミニブログサイトの新規求人についてつぶやいていて、募集ポジションはプログラマ、問合先メールアドレスもきちんと記載されている。願ったり叶ったりと早速履歴書をメール送信。たった一度のメールの交換後、面接も順調に進みスムースに就職が決まった。募集していたのは現地のウェブデザイン会社「Brew Creative」。スタッフ3人のうち2人をツイッター雇用した。「ソーシャルネットワークを使えば同じ波長の人間を見つけやすい。類は友を呼ぶと言うし、まさに人探しのツール」と、オーナーのヴィッキー・ルーさんは現在使っているフェースブック広告とツイッターに加え、プロフェッショナル同士の絆をつむぐLinkedIn(リンクトゥイン)の活用も次のステップに考えている。
人材会社Achieve Groupの2011年ソーシャルメディアに関するリポートによれば、調査回答を得た52%の企業が、ソーシャルメディアを介した採用を5%から10%に引き上げた(2009年から昨年の一年間実績)とのことだ。
ソーシャルメディアを様々なツールを駆使して監視するサービスを展開しているJamiQ社(シンガポール企業)トップのベンジャミン・コー氏は、「実際の就職活動は既存のスタイル、Eメールや面接が主体だが、最初の取っ掛かりをSNSで掴む応募者が触れているのは事実だ。その後、企業のウェブサイトの求人欄を確認して、条件が叶えば、人事担当者とオンラインチャットで会話してお互いに雰囲気を確認、その後実際の面接に進むマッチメイキングが増えている」とコメントする。
雇用に関するSNS活用は、最近ではStanradrCharteredBankのニュースをこのニュースレターでも取り上げたが、今後ますます加熱しそうな勢いを感じる。
「ただ、SNSのみだけでは発掘できない人材がいることも確かだ」と警鐘を鳴らすのは人材コンサルタントを専門とするRobert Walters社のエイドリアン・ロー氏。これまでの既存で伝統的な方法と組み合わせて最適な人材を見つけることが重要だ、と多角的アプローチの採用を促す。
筆を自身に戻すが、こうした最新の動向をふまえ、多様化しつつある雇用スタイルに真摯に向き合い、今後も人材提供に励みたいと考えている。
日本人及び日本語スピーカーの人材をお探しの際は、是非SDSまでお気軽にご相談ください。