シンガポール、昨年度求人件数は約3倍
小売・サービスの好調を見込み労働者の技術アップを
MOM(人材開発省)による昨年度の求人件数総括発表があった。
これによれば、昨年1年間の合計は11万2,500件。実に一昨年(2009年)の3万7,600件の3倍にあたる数値だ。特に、2010年第4四半期(9月~12月)だけで3万600件の新規雇用を記録していて、シンガポールの昨年の雇用創出パワーの力強さを数値で改めて感じた次第だ。一方、昨年第4四半期失業率は、2.2%で、第3四半期の2.1%から0.1ポイント上昇。2010年の年間平均は2.2%、シンガポールの好調な経済を反映し、一昨年(2009年)の3%からは減少している状況だ。
先月31日、ガン・キムヨン人材開発相は、シンガポール島内西部チュア・チュウ・カンでの小売サービス・労働技術向上プログラム(the Heartland Retail Workforce Upskilling Programme)を修了した卒業生に向け次のように語った。
「今年、我が国の経済成長予想は4~6%とされているが、この場合、我々の労働市場はかなりタイトなものになることが懸念される。つまり、今後我々は、生産性向上のための努力を推進し、外国人労働者への依存度を和らげることが必要不可欠だ」。
このプログラムは主にSME(中小企業)を対象とし、彼らのサービス技術増強を目的としていて、昨年9月の開講以来、6つのショッピングセンターから約100店、280人が参加した。
「国内の求人件数は増加しているが、その一方で外国人労働者の流入も上昇している。シンガポール国民はこの状況に目をそらすことなく、自らが生産性向上のためのスキルアップを目指さなければならない」、ガン人材開発相はプログラムの修了式でこう強調し、とりわけ、女性支援や、すでに退職した高齢者の職場復帰のための具体的ステップを政府が率先して取り組む姿勢を伝え、激励した。
シンガポール政府が先月発表した最新のビジネス予想調査によれば、リゾート・ワールド・セントーサ(RWS)など、アミューズメント・エンタテイメント産業を中心に、小売・サービス業界の成長が2011年前半に高く見込まれており、産官共にこの好機を見逃すわけにはいかない。
RWSの広報副部長ロビン・ゴー氏は「2、3年以内に新しいアトラクションもオープンする予定。現在の1万2000人のスタッフに加え、さらに2~3千人の新規雇用を検討している」と大胆な雇用計画をオープンにしている。
今月後半には、シンガポール政府恒例の「Budget2011」発表があり、まずは今年の、今後のシンガポールの舵取りに注目だ。特に労働者の技術・質の向上計画および労働・雇用市場の動きに着目し、本ニュースレター次号で報告できればと思っている。
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