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SDS シンガポールで就職

26 Jul 2010
Vol.18(JP)

シンガポールの人材紹介会社SDS
人材・雇用トレンドニュースレター

日本人、日本語スピーカー をお探しの際は、是非ご連絡ください。

どうぞお気軽に 9672-0104 もしくは terunuma@sds-singapore.com  照沼まで。

 

社内公用語として採択された英語・海外アウトソース化する日本語

SDS

先月中旬から下旬にかけて、日本の大手企業2社が社内公用語を英語にする方針を発表し、各方面で物議を醸しているようだ。

その2社とは。
『新世界戦略』の名のもと2012年からオフィスの会議や文書を英語化するという、急速な海外展開で注目を浴びるファーストリテイリング(ユニクロを展開)。そして、「世界企業に脱皮するため」と日本国内にもかかわらずあえて英語でメディア発表をおこなった楽天(大手インターネットサービス事業などを展開)は、本社の一部機能の海外移転も視野に入れていると言う。

最近では毎日のように、日系の新聞や知識人らの発行するメールレターやブログなどが『社内公用語を英語化する必然性』について取り上げているし、目下シンガポールに在住し、英語・日本語の2言語を使って日々仕事をする環境におかれている我々にとって興味深いトピックである。

「言語」といえば、7月22日付NYT(ニューヨークタイムズ)オンラインにこんなタイトル記事が載っていた。 その名も「自らアウトソーシング化する日本人」。導入部で登場するのは、ナトリ・アカネさん(26歳)。東京の輸出入業取扱い企業を退職し、オンラインで応募したのはタイのバンコクにおける日系企業勤務。2008年末のリーマンショック以降続く日本国内の就職難状況にもかかわらず、「あっという間に決まりました」と本人のコメントが寄せられている。

ご存知のように、一昔前の大学新卒だったならば、一生涯勤める企業を見つけるべく就職活動に心血を注いだものだった。しかしここ数年は、先述のナトリさんのような選択をする大卒の若者が実に増えているという。彼女が就職を決意したのは、日本のお客様向けの電話対応を専門とした、バンコクにおけるコールセンタだった。

NYTの記事では、「米国が米国人向けのコールセンタサービスの仕事を、インドの現地英語スピーカーにアウトソースするトレンドとは全くことなる現象が、日本でおきている」という点に着目している。日本人向けのコールセンタ業務を海外にアウトソースする場合には、現地の日本語スピーカーを活用するのではなく、日本人を海外にアウトソースした上で現地採用し、日本における雇用よりも安い賃金で契約を結ぶと言う、極めて特異なスタイルをとっているのだ。

例えば、日系ITアウトソーシング企業のトランスコスモス社やマスターピース社は、バンコク、北京、香港、台湾に、コールセンタ、データ入力センタ、技術サポートセンタを設置したが、海外現地で日本にいる日本人向けのサービスを提供しているのはやはり日本人。「仮に現地の中国人が日本語を言語としてマスターしていても、敬語使いや丁寧さの度合いなど、言語と文化を総合的に理解している日本人でないと、日本人の期待するサービスのレベルに対応できない」と、ナトリさんが採用されたトランスコム・タイ支社MDの村松氏は説明している。

現在、このように海外で日本人向けのアウトソース業務に就業している日本人は一体どれくらいいるのだろうか。正確なデータの収集は難しいものの、内務省によれば、これまでメジャーだった「エキスパット」と呼ばれる日本人の海外駐在人口が近年減少しているのに対し、「インディペンダント・ビジネスピープル」と称される、ナトリさんのように海外で働くフリーランサーが増加しているということだ。

また、外務省データによれば、個人として日本人が赴く先は、上海、バンコクを筆頭に、香港、ジャカルタ、ニューデリー、そしてシンガポールなどのアジア都市が圧倒的に選ばれているようである。

さて、日本政府の発表では、今年5月時点で24万件の雇用喪失が発生し、失業率は5.2%まで上昇。日本総合研究所研究員の藤波匠氏は、日本企業はコスト削減目的で既存の被雇用者を解雇するわけにはいかず、人件費削減のしわ寄せが日本の若年層の労働者にきている、と言う。海外に転出して就業する日本の若者達の増加は、このような日本の背景も後押ししているのだろう。

国際競争力を高めるために英語が社内公用語として採択されたニュースと、日本人の期待するサービスレベル維持のために海外転出日本人を日本語スピーカーとして海外採用している事象。どちらも「言語」と「文化」、そして「人材」に関係し、その是非については様々な側面から考える必要がありそうである。

ところで、つい先日、「シンガポールは資源がないだろ、何を育ててると思う?」とシンガポール人の友人に謎かけをされた。彼曰く、答えは「人材」。幼少時よりグローバルに活躍できる人材としてリーダシップをはじめ、社交力、言語、各種スキルを育成するプログラムを吸収してきている。今、シンガポールにいるというめぐり合わせを活かして彼らの知恵才覚に学び、我々日本人の持つ柔軟性とこだわりを融合したら新たな価値のある人材が醸成されるだろうか。そのとき、日本企業は国際化にあたり最強の切り札を投入できるのではないだろうか。贔屓目かもしれないが、シンガポールで活躍するビジネスピープルの可能性に期待してやまないところである。

日本人及び日本語スピーカーの人材をお探しの際は、是非SDSまでお気軽にご相談ください。

SDS照沼からのひとこと

SDS Terunuma

MOM(人材開発庁)では、就労ビザに必要な指紋の採取をしにくる 人に対し、すべての情報をコンピュータ処理しています。
すでにビザ申請ではオンラインがほぼ定着し、2-3週間ほどかかっていた 手続きが、数時間から1日ほどでできるようになっています。
先日海外に行った際、シンガポールの出入国について、 就労ビザとPRホルダーの外国人も、シンガポール人と同様にパスポートと、 指紋の照合でできることに気づきました。
どこまでコンピュータ化が進んでいくのか楽しみです。

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