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SDS シンガポールで就職

10 Feb 2010
Vol.7(JP)

シンガポール
人材・雇用トレンドニュースレター

 

THE BIG SHIFT

SDS

2010年度シンガポール予算発表に向けて

街中が赤やオレンジに染まり、旧正月まであと数日となった。この頃、旧正月中の予定と同じくらい国民の関心が高まるのは、シンガポール政府による 「Budget」(2010年度予算案)発表だ。所得税、法人税は上がるのか、下がるのか。国民への「ボーナス」支給はあるのかどうか。企業支援策、雇用保護 対策、云々。

これに先駆け、今月2日に現地新聞ストレーツ・タイムズ紙に、政府経済戦略委員会(ESC:The Economic Strategies Committee、昨年5月に特別構成さ れた政府機関)による今後の長期ビジョンが発表された。少なくとも私には「こう来たか」と革新的な国策案に驚ろかされたし、周りのシンガポール人らも結構意 表をつかれたようだ。

「THE BIG SHIFT」とのサマリーのもと、「深刻な不況危機を乗り越え、シンガポールは今がまさにギアアップへの最適なタイミングだ」と、25人のメンバーか ら構成されるESCの46ページに及ぶレポートは、主要具体案を次のように呈している。

1)新環境クリーン・エネルギーとしての原子力の活用
2)土地問題対策としての地下・地底スペースの開発
3)セントーサ&マリナ・ベイ開発に続くビッグ・プロジェクトとして、タンジョン・パガール区域のウォーター・フロント・シティー計画
4)イノベーション立国として名を馳せる日本やスウェーデンなどに続くよう、2015年までにR&D(研究開発)分野への政府投資を3.5%引き上げ
5)グローバル規模で1億ドル売上のローカル企業を1000社以上に
6)海外へ進出するローカル企業を支援するためのEXIM(輸出・輸入専門)銀行を設立
7)ローカル中小企業(SME)への政府投資を15億ドルに引き上げ
8)労働生産性の引き上げ(現在の3%から次の10年間に5%まで)・・・先進諸国の中でもシンガポールは特に労働生産性が低いことが統計から示されている ようである。(建築業界に顕著) などなど
(詳細はオリジナル・ニュース・リソースを参照されたし)

レポートの締めでは、他にない独特なグローバル・シティを目指し、多様な才能を持つ人々にとっての文化キャピタルとしてシンガポールの位置づけを図るこ とを提案している。

「多様な才能」と言えば、シンガポールは、才能だけなく、多様な人種・文化の集合体国家である。
そんな社会環境のもと、お気づきの方も多いかもしれないが、シンガポール現地の求人広告には、必要スキルや資格などの項目はあっても、性別、年齢、 国籍、人種などによる制限事項の記載は思いのほか少ない。

公平な雇用を促進する目的で4年前に組織された政府系機関TAFEP(The Tripartite for Fair Employment Practices)によれば、昨年のシンガポール現地 求人広告をモニタリングした結果、人種や性別などの記述が含まれたものは1%のみで、ちょうど4年前の19.7%と比較して大きな改善がなされたとのことで ある。

多民族国家として、「制限」でコントロールするのではなく、より多くの人に門戸を開き、就業の機会を与える。飛躍的かもしれないが、こうした姿勢こそが、 より多くの才能の開花へとつながり、だからこそ我々日本人を含め、多くの人々がいわゆるアメリカン・ドリーム的なものを求めるようにシンガポールにやっ てくるのかもしれない。

ESCによる「地下スペースの開発」提案などは、まるで近未来の地底都市物語のようで、いやはや、シンガポールという国は、今後もますますイノベーティブ な方向へと舵をとろうとしているようだ。
そして、そんな当地にて人材支援に従事するものとしては、雇用拡大につながるニュースをまずは旧正月明けの予 算発表に期待してやまないところである。

皆様良い休日をお過ごしください。なお、旧正月明けも日本人及び日本語スピーカーの人材をお探しの際は、是非SDSまでお気軽にご相談ください。

SDS照沼からのひとこと

SDS Terunuma

いよいよ中国旧正月がやってまいります。

日本の正月と比べ、干支を強くアピールする印象を受けますが、 そのためか、シンガポール人、特に華人系の方と日本人は、 干支という1つの文化を共有している、とも強く感じます。

CNY
旧正月の装飾『寅』

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